陸上以外のほとんどのスポーツで、直線だけではなくあらゆる方向に移動しながら目的地に最速で移動することが求められます。
そのアジリティに必要な3つの要素として以下の項目が重要と考えています。
1.片脚のストレングスが十分か?
2.減速はできるのか?
3.しっかり着地できるのか?
当たり前のことですが、右に動きたいのであれば左足で押さなければいけません。右にステップするだけでは速く進むことはできませんよね。
しかしそれ以前に、急な減速 / 着地(ストップ)ができなければ速く切り返すことはできません。ブレーキの効きが甘いと分かっているのに、自転車、バイク、車などの乗り物に乗ってスピードは出せませんよね。人間も同じで、ストップがしっかりできなければ、止まれるスピードしか出しません。もしコントロールできる力以上のスピードを出した場合ミス・ケガなどにつながるリスクは高くなるでしょう。
では、アジリティを向上させるものとしてどのようなトレーニングを行いますか?代表的なのものは、アスリートなら一度はやったことがあるラダートレーニングではないでしょうか!?そこで、下の資料をご覧ください。
これは敏捷性に関するリサーチの1つですが、対象13歳以下のサッカー選手に週3回のラダートレーニングを6週間行った結果を記しています。直線的なスピード能力に向上がみられたが、アジリティ能力には変化がなかったというものです。もちろんラダートレーニングが必要ないということではありません、ラダートレーニングを行うことで神経筋効率の向上などが期待できます。
しかし、実際のラダートレーニングの動作とスポーツにおける切り返しの動作には、上に挙げた3つの要素や足首・膝・股関節を使った衝撃の吸収と力の発揮などに違いがあるため、前述のリサーチのような結果になったと推測されます。
パフォーマンスを向上させるためにMethod(方法、手段)は大事ですが、その前にPrinciple(原理・原則)を理解することでより良い方法の選択ができるのではないでしょうか。SNSや動画配信で簡単に情報が得られる世の中、それぞれに必要な情報を見分けられる力も大事になってきますね。
次の機会にはアジリティに必要なエクササイズなどご紹介したいと思いますので、お楽しみに!